(高次の思考能力を育成する)活動が普及しなかった最大の理由は「時間がない」ためであった。限られた授業時間に応用的な活動を導入すると、基礎知識を習得する時間が足りなくなってしまうのである。このことが「知識習得」と「思考能力」のどちらが大事かという論争の原因になっている。
実際には、知識に基づかない高次思考能力は存在しないし、応用できない知識は無意味である。「知識習得」と「思考能力の獲得」を両立させるためには、学習時間を延ばすしかないが、学校の時間はもはや隙間なく埋まっている。この難問を解く鍵になるのが、授業と自宅学習の連続化による学習時間の確保と学習目標に合わせた時間の再配置なのである。
山内祐平准教授ブログ「【記事公開】未来に備えるための学習」より