近畿大学附属高等学校における初中等教育の反転授業の導入
http://www.kknews.co.jp/maruti/news/2013/1007_5a1.html
高等教育での反転授業の導入事例として,北海道大学の取り組みを紹介する。北海道大学では,全学対象の情報教育「情報学Ⅰ」の一部に反転授業を導入している。「情報学Ⅰ」は,初年次の学生を対象に,高度な情報活用能力を実践的に育成することを目的としている。1学年2,600名に対して統一した企画で実施し,きめ細やかな学習支援や協同学習の効果的な導入を進めるため,ティーチングアシスタント(TA)による1クラス20名規模の講義を行っている。「情報学Ⅰ」では基礎的な情報活用能力や情報倫理教育,プレゼンテーション,プログラミングや学習教材の制作などを扱っており,その中に討論による学習を導入している。批判的思考力や物事に対する多面的な見方を身につけるため,あるテーマをもとに授業時間中に数名のグループで討論を行う。自らの考えを電子掲示板上で表明しディスカッションを行い,各自が最終レポートを提出する。レポートの評価には相互評価(ピアレビュー)も導入している。
この講義で反転授業を導入した結果,9割以上の学生が討論による学習を進めるために必要なビデオ教材をあらかじめ視聴し,教室で討論を行う反転授業の授業形態を問題なく行うことができた。また学生へのアンケートの結果によれば,学生は意欲的にこの講義に取り組んでいた。加えて,授業運営を担当したTAからは,「授業中に討論の時間を十分に取ることができる」との意見があり,反転授業の導入により授業時間を討論の時間に十分に充てられることが示された。また,同じくTAからは「各自の意見がビデオの討論に続ける形で出されるので討論が円滑に進む」「ビデオ教材で討論の手本を見ているので,討論の内容も深まりやすい」など,討論場面を収録したビデオ教材を用いたことで,学生がまだ十分に慣熟していない討論の方法をビデオから学び模すことができ,授業中における学生の討論を促したことも示唆された。
重田勝介, 布施泉, 岡部成玄. オープン教材を用いた反転授業の実践と分析.
日本教育工学会第29回全国大 会講演論文集. 2013, p. 223-226
中、高校生向けの反転授業サイト リンク
教材はビデオだけので、単方向の授業にすぎないから、学生とのやり取りが期待されている。