中国における日本語文法教育の現状と問題点
ⅰ 日本語教育における文法教育の現状。
従来の日本語教育では文法の重要性を強調しすぎたが、現在の日本語文法教育コミュニケーション法などの影響を受け、冷遇されている。また、中国の伝統的な日本語教育で主導地位を占める教育方法は文法訳読法である。文法ルールの説明と練習は伝統的な日本語教育の主要な手段であったが、近年、文法教育を軽んずるため、学生の文法を理解したり、把握したりすることがますます困難になっている。
ⅱ 日本語文法教育の特徴。
文法講義に面白みがなく、教師が文法ルールを説明し、学生がメモを取るだけで、知識を受け入れ、吸収する過程がない。文法講義では画像や音声がないため、学生のモチベーションを向上させたり、クラスの雰囲気を盛り上げたりできない。さらに、学生にとって適切な文法の勉強方法が少ない。多くの学生が文法のテキストを読んで練習問題を解くことで文法の勉強をしているが、ほかの有効な方法との組み合わせが少ない。長時間受験のための教育の影響で、教師が単に学生の選択問題のコツに注目するだけで、文法の基本と基礎の上で文法を活かす能力の育成を見落としがちである。
ⅲ テキストと参考資料が時代遅れである。
数多くの日本語教科書以外にも、文法辞書や文型辞書の出版も盛んである。しかし、テキストでの会話文にせよ、例文にせよ、時代遅れの文章が多い。近年、中国では日本語教育改革を行っていたが、話題だけを変えて内容をほとんど変えていない。そのため、学生の勉強に対する興味がなくなることもある。